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支援事業

名古屋大学・岐阜大学が連携した実習型工学教育の挑戦

申請代表者名 工学研究科 教授 原 進



申請者は平成29年度に実施された工学部改組に伴って登場した新規必修実習型教育「設計製図第3(飛行ロボットテーマ)」を立ち上げました.本テーマは,ピッチングとヨーイングのアクティブ制御が可能なグライダー模型を少人数チームでゼロから設計製作する内容であり,材料力学,流体力学,機械力学,制御工学など機械航空工学の基礎理論を融合させて質の高いものづくりを学びます.授業アンケートでは7割の学生が必修科目として継続すべきと回答するなど好評です.一方,岐阜大学川添博光特任教授,伊藤和晃教授らが申請者からノウハウを得て同様の授業「自律滑空機の設計製作実習」を令和2年度から岐阜大学で始めました.この授業も好評で,マスコミ取材も受けてきました.東海国立大学機構発足を契機として,両大学が連携した実習型工学教育への挑戦に取り組むことを考え,今般,令和2年度第2回名古屋大学全学同窓会大学支援事業のもと,名大・岐大の優秀な飛行ロボットを集めた競技会「東海クライマックスシリーズ」を2021年9月29日に岐阜メモリアルセンターで開催しました.競技会という形態を取ることで,両大学学生の機械航空工学やものづくりに対するモチベーションを引き上げる他,両大学の授業の特徴を明確にしてそれぞれの授業改善につなげることで,東海地区全体のものづくり人材育成力の向上に貢献します.

並行して,定常的に行われる体験型教育においても名大と岐大を結び,両大学の学生が一緒に実験を行っている感覚が得られるようなシステムの導入にも挑戦しました.具体的には振動制御工学に関するテーマであり,同一実験装置を名大と岐大に設置すると同時にインターネットで結び,両大学学生に同一応答を提示したり,片方が提案する設定をもう一方にデモンストレーションできる実験システムを目指し,前述の支援事業により試作機を作製しました.2022年7月22日に,実際の授業での実施を目指して準備しています.これまで両大学をインターネットで結んだ講義形式の授業はありましたが,実習型教育の同時開催は実現できておらず,申請者らの導入するシステムにより,東海機構が有する教育ポテンシャルの幅を大きく拡げることができます.さらに,離れた場所どうしで同時に同一の実習型教育を受けられるシステムの確立はコロナ禍で困難になった実習型教育にニューノーマルな方法を提供することにもつながります.

飛行ロボットの例(名古屋大学の授業で作製した例)

飛行ロボットの例(名古屋大学の授業で作製した例)

東海クライマックスシリーズ告知ポスター

東海クライマックスシリーズ告知ポスター

東海クライマックスシリーズ競技の様子

東海クライマックスシリーズ競技の様子

東海クライマックスシリーズで交流する名大・岐大の参加学生

東海クライマックスシリーズで交流する名大・岐大の参加学生

5_名大・岐大を結んで実施する振動制御実験システムの試作機

名大・岐大を結んで実施する振動制御実験システムの試作機

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