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支援事業

スペースバルーンによる成層圏の放射線量およびオゾン測定

1. 申請代表者名

飯田 怜央  (工学部 機械・航空宇宙工学科 3年生、名古屋大学宇宙開発チームNAFT)

2. 事業の期間または行事等の開催日

スペースバルーン打上げ予定時期:令和4年8月
開発期間:令和4年8月まで

3. 支援を受けようとする活動の概要

名古屋大学宇宙開発チームNAFTは「Link Space ~宇宙を身近に~」をモットーとし,メンバーが宇宙開発を楽しみ,かつその魅力を発信することを目標としている.ハイブリッドロケットやスペースバルーンの開発を行い,さらに,社会貢献活動やプレゼンテーション,企業連携を通して文系理系融合の総合力を養うことのできるコミュニティとなることを目的として活動を行っている.本テーマは,スペースバルーンを用いて成層圏の映像撮影および成層圏における放射線量とオゾン量を測定するプロジェクトである.ここで,スペースバルーンとは,観測機器やカメラをヘリウムを入れたゴム気球に搭載し,成層圏(高度約30km)の映像撮影や成層圏条件下での実験を行うものである.私達は過去にスペースバルーン実験を複数回行っており,近年では他団体と共同で,国内の学生団体初の中気球打上げにも成功している.スペースバルーン実験では,成層圏環境下で動作する構造を作るための熱制御や,上空のジェット気流下でも破壊されないような設計を行うための強度解析等の工学への理解が必要である.加えて,安全に実験を実施するためには航空法等の法律への知見や関係各所への申請も必要であり,文系理系問わず様々な視点で取り組むことが求められる.また,今回予定しているスペースバルーン実験は,映像撮影だけでなく,成層圏の放射線量とオゾン量を測定し,その相関性を調査する等の理学的ミッションにも取り組むこともあり,工学と理学の融合という点でも,分野を超えた交流が活発になることが期待できる.このような複合的な視点でプロジェクトを行っていく中で,全学的な見地にたって,学生の交流の場を提供できると確信する.また,本プロジェクトは学生が独自に企画したものである.ミッション成功に向けて学生が自ら考え運営していくことにより,学生のリーダーシップ養成,優秀な人材の育成も期待できる.並行して,NAFTは,メディア出演や他大学の宇宙開発団体との交流,企業と共同での小中学生への宇宙教育活動を積極的に行っている(図2).本プロジェクト実施後も,名古屋大学教育学部附属中・高等学校での発表や,企業と共同での教育イベントでの成層圏開発の紹介を行っていく予定である.このことは,様々な世代への情報発信や人的交流を推進し,本学への関心を高めることにつながる.本プロジェクトの実施の流れを図に示す.
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NAFTはこれまで自主的な宇宙開発活動を長年にわたって実施してきたが,その原資のほとんどは参加学生の会費に頼ってきた. この8月に実施するスペースバルーンの打ち上げは成層圏における放射線量やオゾン量の測定などこれまでにない目標が加わるため,機材開発費・回収費など実施コストの上昇も免れない.しかしながら申請者らは,今回のプロジェクトでスペースバルーンを成層圏の映像撮影というツールを超えて,放射線・オゾンデータを測定・解析する理学的な目的で利用していくことは今後の活動においても大きな価値を持つと考えており,必ず成功させたいが, そのためには会費のみに頼らない資金調達が必須となる.このような事情により,ぜひとも名古屋大学全学同窓会のご支援の下でこのプロジェクトを成功させたいと考えている.

4. 全学同窓会の理念との関連

前述の通り,本プロジェクト は複数の分野の融合するプロジェクトであり,その中で多くの学生が交流する場の生成が期待される.このことは,全学同窓会設立の理念1)にある「全学的な見地にたって、部局同窓会と連携しながら卒業生、学生、教職員の交流の場を提供する。」に即した内容である.また,スペースバルーン打上げを安全に実施する上で,打上げ場所やその地域の自治体,漁協との協力は非常に重要である.地域とのつながりを深く持ち,ミッションの成功を共有することでさらなる交流にも繋がる.このことは,理念2)に即していると言える.以上,本プロジェクトは全学同窓会の理念と深く結びついている.

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