宇宙教育活動の推進
工学部物理工学科・学部4年 松浦 健人
私たち名古屋大学宇宙開発チームNAFTは「宇宙を身近に」を理念に活動しています。大学生が宇宙にチャレンジすることを通して、周りの人達に宇宙に興味を持ってもらいたい、宇宙をもっと身近に感じてほしい、という思いから現在の理念にたどり着きました。この理念にもとづき、宇宙開発技術の開発や修得だけでなく、宇宙教育活動にも力を入れています。宇宙教育活動は、企業や科学館、学校の協力の下、ワークショップや講演会といった活動を行っています。また、宇宙開発活動としてスペースバルーンやハイブリッドロケットに関した実験を行っており、そこで習得した技術や知識を宇宙教育活動にも生かしています。
今回の全学同窓会からの御支援により、宇宙開発と宇宙教育の両活動の充実を図り、宇宙教育活動を通した社会への還元を目指しました。特にNAFTは、参加者体験型の宇宙教育活動に力を入れており、今回の御支援は主に体験型の宇宙教育活動の充実にあてました。
NAFTは、体験型の宇宙教育活動の一つとして、VR(Virtual Reality)映像を用いた視覚的なアプローチによる宇宙の魅力の発信に取り組んでいます。VRとは頭に装着するメガネ型のヘッドマウントディスプレイに映像を投影し、体験者の視界全体に広がる映像を見せることができる技術のことです。このVR技術と2016年6月のスペースバルーン放球実験や2018年3月のハイブリッドロケット打上実験で私たちの撮影した映像を組み合わせることで、宇宙遊泳やまるでロケットに搭乗しているような体験を提供することが可能になりました。実際にVRを体験した人からは大変好評であり、宇宙の魅力を伝えるための手法の一つとしてVR映像の使用は効果的であるという確かな手ごたえを感じております。また映像や活動はSNS等を通じて広く世間に公表しており、多くの人から反響を頂いています。
今回ご紹介したVR活動の他にも、参加者が工作やクイズを通して、宇宙の魅力を感じてもらうことにも取り組んでいます。今後もこれらの宇宙教育活動を継続して、名古屋から航空宇宙産業を盛り上げていきたいと考えています。
最後にこの場を借りてご支援いただいた全学同窓会の皆様に心よりの感謝を申し上げます。