「青年期の心を育てるセミナー」
申請代表者名 学生支援センター・准教授 船津 静代
今回、本センターの初の試みとして、豊かな学生生活支援に重要な役割をはたす保護者に対し、本センターの取り組みを紹介し、青年期の心の在り方の理解を促す講演会を開催し保護者や関心をもつ一般市民30名近くが参加しました。
冒頭、松本真理子センター長が「学生の豊かで健康な学生生活には保護者の支援がかかせない。これまでの学生相談においても学生本人はもとより、学生の家族からつながって、本人の支援が充実したケースは増えてきている。今回のような機会をきっかけに大学の学生支援の取り組みをご理解いただき、身近に感じていただけるよう、学生の支援にご協力をお願いしたい。」と挨拶し開会しました。続いてメンタルヘルス部門の精神科医である古橋忠晃准教授が「ひきこもり」について講演を行いました。古橋准教授はフランスにおいて精力的にひきこもり支援を展開しており、「ひきこもりはカラオケ同様世界的言語になりつつあり、フランスにもひきこもりと言われる若者は増えている。家庭訪問を試みているのだが、これまで部屋をでなかった若者が「日本からひきこもりの専門家がわざわざ自分に会いに来た」と言って部屋を出てきたり、次の訪問を楽しみにするようになっている。今日は保護者やご家族が関心を持ってきていただいているが、こうして周囲が関心をもつことはとても大切で、名大でも親御さんが相談に来ていただいていると、そのうち学生さんとつながり、面談に来られるようになるケースがみられる」と保護者や家族の存在の大切さを語りました。その後、センターのスタッフ(精神科医・臨床心理士・キャリアカウンセラー)が、参加した家族の個別相談にあたりました。参加されたご家族からは「大学がしっかり学生を支援してくれていることがよくわかった」「子供が大学に戻るには時間がかかることもあるが、それでも見守ることで大学にもどるチャンスもあるとわかって、安心した」などの声がアンケートで寄せられました。これまでの地域に開かれた大学の役割とともに、若者を支える社会の拡がりを目指すにあたり、この講演は大きな一歩になりました。今回のホームカミングデイのメインテーマである「社会の中の大学」という観点からも、中部地域の基幹的総合大学として、本学の学生支援の取り組みや青年期の課題を広く社会に情報発信し、青年を取り巻く地域や企業、教育等の諸領域と情報交換し、学生を支える社会づくりを目指す方向性は全学同窓会の理念とおおいに合致したと考えます。