International Students Startup Support Project
(留学生の起業支援プロジェクト)
申請代表者名 Emanuel LELEITO(エマニュエル レレイト) (工学研究科国際交流室・講師)
キャリアパスの選択肢として、従来の就職に加えて、研究成果やアイデアに基づいた起業を選択する留学生の事例が増加しています。しかし、留学生によるビジネスベンチャーやスタートアップの設立はまだ少ない現状です。このプロジェクトの目的は、留学生が日本でビジネスを始める際に直面する課題(情報不足、ビザの問題、チームビルディングなど)に対する解決策を探ることです。
このプロジェクトの重要な成果の1つは、名古屋大学の1年生と2年生の留学生を対象とした「キャリア形成論」の講義に、「Developing an Entrepreneurial Mindset」というモジュールを導入したことです。モジュールの導入により、学部入学後すぐに、アントレプレナーシップをキャリアパスの一部として考えるための、構造化された情報を留学生に提供することができます。2023年の秋学期に開講された講義は32名の留学生が受講しました。講義に加えて、本事業では、イノベーションとアントレプレナーシップをテーマにした複数のセミナーとワークショップ(名古屋大学の谷口教授による「Entrepreneurial Mindset and Japanese Budo ? JUDO」、 シンガポール国立大学のAng教授による「Towards Creativity and Innovation」、名古屋大学卒業生・起業家Naren Bao博士による「The International Student Startup Journey: Challenges」)、そして、ビジネスアイデアの発想とピッチングに関する2つのワークショップも企画・実施しました(一部の活動様子は別添資料1参照)。さらに、アントレプレナーシップに関する情報をより多くの留学生に情報を届けるため、留学生起業家に焦点を当てた、留学生によるインタビューの制作と配信(ポッドキャスト)の作成支援をしました(別添資料1参照)。一部のポッドキャストはこのリンクで見ることができます。(https://www.passionprojectjp.com/ )。
留学生に適切かつタイムリーな情報を提供するために、日本国内(例: Tokyo Innovation Base, CIC東京、Startup Hub Tokyo 丸の内、Shinaga Industrial Platform/SHIP、名古屋「なごのキャンパス」、Nagoya Innovators Garage等)のスタートアップ支援施設が行っている外国人向け起業支援の取組について調査しました。また、いくつかのスタートアップ関連国内イベント、例えば:「Go Global! ENGLISH Pitch Competition」(2023/2/23 -日本橋ライフサイエンスハブJ-Link)、「Kansai Startup Pitch Night」(2023/3/23 - CIC Tokyo Toranomon) 、「Takeoff Tokyo」(2024/4/10-11:Tokyo Big Sight) 、SusHi Tech Tokyo 2024 (2024.05.15-16: Tokyo Big Sight)、等に参加し、情報収集をしました。
また、プロジェクト期間中、海外の他大学のイノベーションとアントレプレナーシッププログラムとのつながりも築くことができました。これには、ヨーク大学(カナダ)のYSpace、ワシントン大学(米国)のGIXプログラム、ストラスブール大学(フランス)のPEPITE-ETENA、ステレンボッシュ大学(南アフリカ)のLaunchLab、シンガポール国立大学(シンガポール)のNUS Enterprise、シンガポール工科デザイン大学(シンガポール)のVenture, Innovation and Entrepreneurshipなどが含まれます。これらのプログラムからベストプラクティスを学んで、その知識を活用するだけでなく、今後はこれらの海外大学の組織と連携して、起業家教育に焦点を当てた実際の学生交流を実現したいと考えています。
以上、本事業にご支援していただきました全学同窓会に感謝の意を表します。