学生をハブとしたオープンイノベーション推進プログラム
1. 代表申請者名
宇治原 徹(未来材料・システム研究所 未来エレクトロニクス集積センター)
2. 事業の期間または行事等の開催日
平成30年4月〜翌年3月末まで
3. 支援を受けようとする活動の概要
イノベーションを巡るグローバルな競争が激化するなか、従来の自前主義(クローズドイノベーション)に代わり、組織外の知識や技術を積極的に取り込むオープンイノベーションはもはや世の中の常識になりつつある。
日々、研究における学生の活躍を目の当たりにしている立場として、社会においても学生を中心としたイノベーションを起こすことができると考え、2015年より取り組みを進めている。
具体的には、本学や東海地区の他大学の様々なバックグラウンドの教員(工学、経済学、情報学、芸術学、教育学など)が有志で1年間のプログラム設計や講師を行う。
プログラムは以下のものを予定している。
- アイデア創出ワークショップ:学生を集め、チームを編成し、先進的な発想法によって、革新的なアイデアを創出する。
- プロトタイピングワークショップ:3Dプリンターや電子工作キットを活用し、創出したアイデアを形にすることでアイデアを補強する。
- 企業とのマッチング:チームのアイデアの製品化に向けて、学生がプロトタイプ(試作品)を用いて企業にプレゼンし、協力企業を見つける。
- 企業との製品開発プロジェクト:市場での実証実験に向けて、学生と企業が共同で製品レベルの試作品を開発する。
対象の学生は、本学の学生に限らず、多くの大学の学生を受け入れる。これによって、学生は多様な学生とチームを組み、力を発揮するためのリーダーシップ、ファシリテーションの力を得ることができる。同時に、参加した企業においても、学生の柔軟な発想を活用した新規事業創出、産学連携によるオープンイノベーションの機会を得ることができる。
過去3年間の活動の実績としては、この経験がきっかけで自らベンチャー企業を立ち上げた学生を複数輩出しており、また学生のアイデアを元にした製品が実際に企業で販売され、コンセプトが企業の新商品に反映されるなど、企業にとってもオープンイノベーションを実現する機会となっている。
すでに、この活動は、中部経済産業局、名古屋市、名古屋市交通局といった行政や、名古屋商工会議所、中部経済連盟など経済団体と連携しており、中部地区の経済界においても、一定の評価を受けている。活動はテレビや新聞等マスメディアでも報道されており、本学の学生の活躍を広く伝える機会にもなっている。
4. 全学同窓会の理念との関連
本企画では、オープンイノベーションを推進しており、「名古屋大学が社会に開かれた大学になるように大学と連携協力する。」という同窓会理念の活動内容と合致している。
また、前述の実績の通り、リーダーシップを発揮する人材を育成する機会でもあり、「国内外で指導的役割を果たしえる人材の養成を通じて、産業に貢献する」という同窓会理念の活動内容と合致している。
さらに、全学同窓会として本活動を支援し、発信することによって、企業、行政の立場で卒業生が参画する機会を得ることができることから、「全学的な見地にたって、部局同窓会と連携しながら卒業生、学生、教職員の交流の場を提供する。 」という同窓会理念の活動内容にも合致する。