2020年5月28日
名古屋大学中国同窓生有志と松尾総長との懇談
5月28日午後、名古屋大学中国交流センターのテレビ会議システムを利用し、中国人同窓生有志による寄附について、名古屋大学本部と懇談が行われました。
名古屋大学の出席者は松尾清一総長、木村彰吾副総長、張紹良中国交流センター長と宮野浩治Development Office課長です。中国からは、上海同窓会の張豪(94経済博士)副会長、楊弋濤(97工学博士)幹事、劉蕾(07国開修士)氏、李天一(08国言修士)氏と楊小萍(15法学博士)氏が出席しました。
張豪副会長は今回の寄附活動の責任者を務め、楊弋濤幹事は会計、劉蕾氏は集金、そして、最も難しいマスクの購入と郵送手続きなどは李天一氏と楊小萍氏が担当しました。
図一:今回の寄附活動幹事の一部メンバ−(名大中国交流センター会議室・上海)
木村副総長が司会を務められ、先ずは劉蕾氏より参加者の紹介がありました。続いて、張豪副会長より今回の寄附活動の経緯について、次のような説明がありました。
日本の新型コロナウイルス感染症のことを知り、中国同窓生の皆は母校を心に掛けていました。4月25日、楊小萍氏から名大を応援したいという提案が寄せられ、上海同窓会幹事により議論した結果、今回の募金目標金額を24,000元に設定し、名大附属病院が最も必要とする医療用マスクを寄附する事で合意しました。翌日には、SNSのチャットグループを作成し、4月28日に、全中国人卒業生を対象とした募金活動が正式に始められました。
なんと1日目で6万元余りの寄附金が集まり、募金活動が終了した5月6日には、193人の卒業生から目標金額の4.3倍になる104,500元(1,582,130円に相当)が寄附されました。
中には、感染が拡大している日本や米国などに在住している20人以上が含まれていました。その他、名大在学中の中国人留学生3人からも寄附がありました(学生であるため、今回は彼らに返金する事にしました)。募金とともに、マスクの購入を担当した李天一氏と楊小萍氏は、名大附属病院の要望を満たすようなマスクを懸命に探しましたが、日本の新型コロナウィルス感染症の進行状況やマスクの品質などを総合的に議論した結果、最終的に物資の寄附ではなく、直接名大へ現金を寄附することになりました。続いて、張豪副会長から同窓生26人が書き寄せたメッセージが松尾総長に贈られました。その寄せ書きの中には、儲葉明(国言OB)氏が寄せた「名大での2年間は、これまでの人生の中で、最も幸せな2年間でした。このかけがえのない思い出を与えてくれた名大の方々には、ずっとずっと元気でいてほしいです!」との応援メッセージも含まれていました。
最後に、名大と心を一つにする中国同窓生の大学への支援に対し、松尾総長より感謝の言葉を述べられました。
現在、新型コロナウィルス感染症の収束によって、名大は教職員や学生向けに一部施設を開放しています。4月上旬、他の機関から異動してきた医師以外、教職員学生には感染者は一人も出ていません。名古屋大学はいつも学生を大切にしており、オンライン授業の実施を確保するため、ネット環境を整備しました。大学のアンケートによると、25%の日本人学生と67%の留学生から「コロナの影響で経済的に困難を感じている」と回答がありましたが、これは、「アルバイトの減少や通信料金の増加が原因だ」と、半分近くの学生が答えていました。コロナ禍で、十分な食事を取れない学生も出ているため、ボランティア団体による無償の食料支援も行われ、数多くの学生の助けになりました。それを知った名大生協も、学生を対象に無料で食料を提供することにしました。
また、一時的に帰国困難な新卒留学生もいるという現状を踏まえ、名古屋大学では「新型コロナウイルス感染症対策緊急学生支援基金」を設立し、同窓生をはじめとする学内外の方々より温かいご支援をいただいております。
今回の異常事態の下で、名古屋大学も多くの新しい試みを始めました。新型コロナウイルスと共存する社会では、例えば、デジタルユニバーシティーの実現など、今後の大学の変革に無限の可能性を与えました。松尾総長は「今後はネットを使って、同窓会メンバーの皆さんとの交流を増やしたいと思います。また、一日も早く皆さんとお会いしたいと思います。」と述べられ、張副会長が代表して松尾総長から感謝状を受け取りました。
【図二】松尾総長からの感謝状の授与(総長室・名古屋)
続いて、それぞれの現状、新型コロナウイルス感染症や大学の展望などについて松尾総長と意見を交換しました。最後に、張副会長は新型コロナウイルスが収束したら、すぐに名古屋に行くとの発言がありました。
【図三】感謝状を手にする幹事たちの集合写真
例えどんなに離れていても、私たちの心はずっと一緒にいます。満開の桜の下で再会する日を楽しみにしています。